ピー(小6)は、我が家の中でも幼さの残る子だ。
下の子という事もあり、赤ちゃんがそのまま大きくなった感がある。
そんなんなので、文章や読解問題に関しても「?」が多く「どうしたものか」と思っていた。
そんな中、私が小学校で絵本の読み聞かせの役員を始めてから、よく低学年用の絵本を図書館で借りてくる機会が増え、ピーにも読んで聞かせると思わぬ反応の良さを感じ、「いいぞ!絵本!」と思っていた。
さらに言うと、小6に出された松江塾の読み聞かせの課題「走れメロス」は、ピーにはレベルが高いもので「やりたくない案件(音読)」となっていた。
このままではいかん!
そう思い、ニー(中3)の中1の教科書を引っ張り出してきて、初めから終わりまでピーの前で熱く語った。身振り手振り付き。もはやメロスになりきった3流役者のごとく。こうして読むと実にナルシストっぽい。どんだけ自意識高いんだ、この人は。しかも時間がないのでモーレツ早口。
セリヌンティウスゥゥゥ!!!
(°_°) ←ピーの顔
読み終わった後、「この小説、どう思った?」と感想を聞いてみることにした。
最後にメロスがセリヌンティウスに俺の頬を殴れ!と言った後、セリヌンティウスも自分も殴れ!と言ったところに感動したそうだ。
あのポーカーフェイスのセリヌンティウスの中にも3日間メロスに負けないくらいの物語があった事を想起させるものがあったのだろう、確かに。
その他も色々話した。「走れメロス」を結構好きになってくれた。良かった✨それだけでも大収穫だ。
そしてピーに語った。私の思いを。そう、私は
太宰治はあまり好きではないのだ。
夏目漱石やカフカ、ドストエフスキーなど構図や構成がしっかりしている小説が好きで、それに比べて太宰治はただ感情を吐露しているだけの3流小説にしか見えないんだ。
そうなんだ。でも僕は好きだよ。いいじゃん。思いをぶつけるの。なんか、かっこいい。
ママの気持ちすら反子にしてくれた。
ふと感じたピーから出た「かっこいい」という言葉。ひっかかった。
三語単文ではないが、「思いをぶつける」「かっこいい」「好きだ」
これは…
ロック!?
さすがは太宰治。小6ですらかっこいいと思わせる程若者からの支持は厚いのだろう。文壇から異端視されていた当時も。
そしてあのナルシスト(?)的な感性の鋭さと否それだけで成り立っているような文体。
思春期で沸騰した鍋の熱さ(いかにも主婦っぽい表現💦)のようなロックの感性だ。
概念で考えていたのは自分の方かも、、と反省。
とにかくそれ以降、まいにち音読の質がちょっと上がった。
以前は暗号のように聞こえていたが、一応感情らしきものが出てきた。
やってよかった✨
今度、夏目漱石読むからね👍✨